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ケーソンができるまで
その 1 FDを接岸します
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ケーソンは海に浮かべ,曳船で引っ張って設置位置まで移動して設置します。そのため、ケーソンは船を作る時と同じような場所で製作されます。 通常はケーソン製作専用船(FD)もしくは陸上ヤードが用いられています。 今回登場するのはFD。よその港から長い航海の末やってきたFDは、岸壁に接岸されてこれから行なわれるケーソンづくりの舞台となります。 ここで使われるFDは建造用大型クレーン2基を装備し、潜水艦のように船台が沈降して、ケーソンを海に浮かせることができるため、ケーソン製作が効率よく行えます。 |
ケーソンができるまで
その 2 地上で型枠を作ります
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ケーソン製作の第一歩は、地上の加工ヤードで型枠を組むことから始まります(地組と言います)。 下地に桟木(100×60)を21.5cm程度の間隔に並べ、その上にシャッタリングを置いて桟木とシャッタリング(チャンネル)で格子を作ります。これらをAPクリップ、コーチスクリューで固定します。シャッタリングの上・中・下の3段に角パイプ(60×60×2本)を通してウェッジボルトでシャッタリングと角パイプを止めて骨組みを作ります。 その表面に当社が独自に開発したウレタン系樹脂を塗布したラーチ材合板を、設計寸法に従って釘で張り付けていきます。最後にセパレーターの穴をあけて地組が完了します。 |
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その3 足場を作ります
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FDが接岸すると、はじめにケーソン製作の準備工事が始まります。 一番最初にすることは工事のための外足場づくりです。 外足場はあらかじめ地上でビティ枠を使用して組み立てておいた足場のユニットを、クレーンで運び込んで、ケーソン設計最終高さまで組み立てていきます。 その際、安全作業・墜落防止のため、外側には逐次グリーンネットなどを張り付けていきます。 この足場は、工事の期間すべてを通して作業員の「足もと」を固める大切なものです。安全かつスピーディな作業には欠かせないものですので、慎重に組まれています。 |
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その4 ケーソンの底を作ります
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足場が組み上がるとこんどはケーソンの底版製作の準備にかかります。 まず、FDの甲板の上にアスファルトでルーフィング加工を行ないます。ルーフィング加工とはケーソンと函台(船の甲板)との絶縁加工のことです。 ルーフィングが終わるとその上にビニールシートを敷きます。ビニールシート上にはケーソンの一番底の鉄筋を支えるコンクリート製の台ブロックを並べていきます。 この台ブロックは底版に打ち込まれたコンクリートと同化して底版の一部となります。 これでケーソン製作の準備が完了しました。 |
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その5 底版の鉄筋を組み立てます
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いよいよケーソン製作が始まりました。 底版鉄筋を図面に沿った所定の位置に、設計寸法通りに組み立てていきます。一番底の鉄筋は先に並べた台ブロックの上で組まれます。壁面は一段目の壁の高さまで鉄筋が組み上げていきます。組上がった状態はちょうど檻のようになっています。 鉄筋組立が終わると、各部分の検査が行われます。この検査はこれから各段階で毎回行われます。 |
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その6 底版の型枠を組み立てます
![]() | 鉄筋組立が終わると底版型枠の組立です。組み立てる前に型枠の表面を清掃し、剥離剤を塗っておきます。 内枠はあらかじめ函組しておきます。このとき型枠にNAブラケットをを使って内足場や手摺を取り付け、底には落下防止安全ネットを取り付けます。 外枠(大枠:長さ10m程度)、内枠の順にクレーンを使用してFDに運び、組み立てていきます。型枠同士はセパレーターなどでしっかりと固定します。 内枠の四隅には面鉄板を取り付けます。 固定された型枠には天蓋が被せられ、コンクリート打ち込みの足場として使われます。 最後に検査を受けて完了です。 |
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その7 底版へコンクリートを打ち込みます
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コンクリートの打ち込みはポンプ車を使って底版部から順に行います。底版部が終わると打ち込みは壁部へと移っていきます。締め固めのためにバイブレーターを使いながら、設計された高さまでコンクリートを打ち込みます。 次の段階との接続部分には打継部処理剤(トライテックス)が散布されます。 コンクリート打ち込みが終わると、2日間養生(時間を掛けてコンクリートを固めて安定させること・詳細は巻末用語集参照)を行います。 養生が終わると先の型枠組立の逆手順で内枠・外枠の脱型を行い、検査を受けます。 |
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その8 躯体の鉄筋を組み立てます
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底版が完成すると、いよいよ各段階の積層工事・スライド工法に入ります。 スライド工法は次の段階の躯体鉄筋を組み立てることから始まります。鉄筋は次の段階で積み上げられる高さまで組み上げます。鉄筋が組み上がると検査を受けます。 その後、底部側面に型枠を固定するK式ブラケットをコンクリートに埋め込んだアンカーボルトに取り付けていきます。 このガイドローラを内蔵したK式ブラケットは、ローラの上を型枠がスムーズに移動でき、しかも型枠が通り抜けると自動的に先端部が倒れて型枠を設置できるようになっています。 |
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その9 躯体型枠を入れてコンクリートを打ち込みます
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完成したケーソンは海に浮かべ,曳船で引張って設置位置まで移動して設置します。そのため、ケーソンは船を作る時と同じような場所で製作します。 通常はケーソン製作専用船(以下FD)もしくはドックが用いられています。 今回登場するのはFD。よその港から長い航海の末やってきたFDは、岸壁に接岸されてケーソンづくりの舞台となります。 ここで使われているFDは積載重量7,000tで、ケーソンを同時に2基製作することが可能です。 建造用大型クレーン2基を装備し、潜水艦のように船台が沈降して、ケーソンを水に浮かせることができるため、ケーソン製作が効率よく行えます。 |
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その10 型枠スライド工程
スライド工法は、3段階以降〜最終段階まで、同じ型枠をいちいち外さずスライドさせることにより各階層を積み上げていきます。 |
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@まず次の階層の鉄筋を組み立てます。 A作業者は内枠の平面足場の隅にある扉を開けて型枠の中に入ります。 B型枠に取り付けたセパレーターを外し、内枠に明けられた小窓から次の段階のK式ブラケットを取り付け、上部を内側に倒すように型枠とコンクリート面を分離します。 |
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Cクレーンで型枠をつり上げます。型枠の壁面は内側に倒れています。 DE傾いていた型枠の壁面はK式ブラケットの上を通る時に垂直になります。 F型枠上方に張られた親綱で体を確保しながら、型枠の調整を行います。型枠の内側でも作業が行われています。型枠を固定するブラケットがすでに取り付けられているため,吊り荷の下での危険な作業はありません。 ※スライド作業はいちばん角の型枠から隣へ隣へと移りながら行なわれます。型枠の設置のため型枠の上に乗る作業者は,引き上げられた隣の型枠に移りながら作業を行うため,型枠への昇降がありません。 |
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G内枠の設置がすべて完了すると外枠をクレーンで一度上まで引き上げ、表面の清掃と剥離剤の塗布を行います。メンテナンスが終わった外枠はK式ブラケットの上まで慎重に下げられ、そこで調整の上、設置されます。 H外枠と内枠とセパレーターで締付け固定し、型枠設置を完了します。 I型枠スライドがすべて終わると、コンクリートの打ち込みます。打ち込みが終わると打継剤散布を行い、そのあと養生を行います。 |
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その11 最後の養生を行ないます
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最後のコンクリートの打ち込みを終えたケーソンは、これからの活躍に備えて静かにその巨体を休ませています。平面足場の上にはケーソンの状態を調べている作業員が見えます。 3ヶ月前には何もなかった作業甲板の上にこれほどの大きなものが積み上げられてきました。 もう完成は間近です。 |
ケーソンができるまで
その12 型枠の最終段を取り出します
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最終段階のコンクリートの養生が終わるともう完成は間近。いよいよ仕上げ工程に入ります。 最初に行われるのは型枠の取出しです。この工程は型枠の組み付けとは逆の手順で内枠、外枠をクレーンで型枠を取り外していきます。 内枠が取り外されると、すぐに空洞部分に墜落防止のための安全ネットが張られます。 型枠を取り去った後、ケーソン内部の清掃が行われます。このとき、これまで内枠を支えてきたK式ブラケットが回収されます。 最後にケーソンは出来形検査のため、各部の寸法が測られます。 これでケーソンは完成です。 |
ケーソンができるまで
その13 足場を撤去します
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進水準備の段階で始めに行なわれるのは、これまで作業で使われた足場の撤去です。 これまでみんなの安全を守り、ケーソン製作を支えてきた足場は、各ブロックごとに切り離され、順番にクレーンで地上に運び出されます。 撤去された足場は地上に仮置きされたあと分解され、次の工事に備えて手入れを行なった後、かたずけられます。 足場撤去後は、基本的にはケーソンの上に上がることはありません。 |
ケーソンができるまで
その14 ケーソンを浮かべて運び、海に沈めて完成です
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進水準備を終えたFDは進水場所までケーソンを載せたまま曳航されていきます。 進水場所に着くとFDは沈降を開始します。FDが沈降を終える頃、ケーソンはFDから離れて海上に浮かびます。ケーソンが浮く寸前に船から避難用梯子でケーソン上に上がり、曳き船の綱を受け取ってケーソンと船とをつなぎます。 FDから曳船で引き出されたケーソンは、仮置場まで曳航され、仮置場に着くと内部に海水を注入して沈められます。これで仮置が完了です。 沈められたケーソンはその後海底にしっかり固定されて、港の一部としての役割を開始します。 |